現場のプロが教える!高圧受電の改修タイミング 

高圧受電設備を導入してから年数が経過していると、そろそろ改修すべきかどうか迷う場面もあるかもしれません。商業ビルや工場、学校などでは、電力を安定的に供給するために高圧受電設備が欠かせませんが、設備は時間の経過とともに劣化していきます。


たとえば、異音がする、定期点検で指摘を受けた、機器の供給が終了しているなど、見逃せないサインがいくつかあります。ただ、そうした状況に気づいていても、実際に改修に踏み切るべきか判断が難しいという声も多く聞かれます。


この記事では、高圧受電設備の改修タイミングについて、現場での事例や専門的な知見をもとに解説していきます。設備を安全かつ効率的に使い続けるために、何を目安にすればよいのか、どのような兆候に注意すべきかなど、具体的にわかりやすく紹介していきます。



高圧受電設備とは何か


高圧受電設備は、電力会社から供給される高圧の電気を受け取り、施設内で使用できる電圧に変換して分配するための設備です。主に大規模な建物や施設で使用され、安定した電力供給を支える重要な役割を担っています。一般的には、商業ビル、工場、病院、学校などの中規模〜大規模施設で導入されています。


高圧受電設備の基本構成と役割

高圧受電設備は、キュービクルと呼ばれる金属製の箱に収納された状態で設置されることが一般的です。内部には、高圧遮断器(CB)、変圧器(トランス)、計器類、保護装置などが組み込まれています。これらの機器が連携することで、受電から変圧、そして施設内への安定した配電が可能になります。特にトランスは、高圧(6600Vなど)の電気を施設内の機器が使える低圧(200Vや100V)に変換する重要な役割を担います。


どのような施設に必要なのか

契約電力が50kW以上になる施設では、高圧で受電する必要があるため、高圧受電設備の設置が求められます。たとえば、飲食店が複数入るテナントビルや空調設備が多い工場、照明や動力機器の多い商業施設などが該当します。また、近年では空調や冷蔵・冷凍設備を多用する学校や医療施設でも、高圧受電の導入が一般的です。


低圧設備との違いについて

低圧受電との大きな違いは、供給される電圧と必要な設備の規模です。低圧受電(主に100Vや200V)では、電力会社の配線から直接施設に電気が引き込まれ、変圧や配電設備は簡易なものです。一方、高圧受電では、受電・変圧・保護といった工程を自前で管理する必要があるため、設備の設置スペースや専門的な知識も求められます。初期コストは高くなりますが、大量の電力を安定して使用できることから、長期的には効率的な選択肢となるケースもあります。



高圧受電設備の法的な点検義務と更新サイクル


高圧受電設備は、高電圧を扱う設備であることから、法律に基づく点検や維持管理が義務付けられています。これを怠ると、感電や火災など重大な事故につながる可能性があるため、定期的な点検と適切な更新が必要です。設備の管理者や所有者は、法令に基づいた運用体制を整えることが求められます。


点検の頻度と法的基準

電気事業法や労働安全衛生法により、高圧受電設備の点検は年に1回以上の「年次点検」と、毎月1回以上の「月次点検」が必要です。年次点検では、停電を伴う精密な点検が行われ、機器の絶縁性能や接続部の状態などを詳しく確認します。一方、月次点検は停電を伴わず、目視や測定によって安全状態を確認するのが一般的です。


劣化が進行しやすい部位とは

高圧受電設備の中でも、特に経年劣化しやすいのは、絶縁部品や遮断器、変圧器内部の油や巻線部分です。これらは長年の使用や温度変化により性能が低下しやすく、トラブルの原因になることがあります。また、接点部分の緩みや腐食、ホコリの堆積なども見逃せません。点検時にこうした兆候を早期に発見することが、安全性と安定稼働を保つためには欠かせません。


更新・改修が求められるタイミング

点検結果に応じて、劣化や異常が確認された場合は、部分的な補修や部品交換ではなく、設備全体の更新・改修を検討すべきケースもあります。とくに、製造から20年以上経過した機器では、部品の入手が困難になるほか、設計基準が現行法規に合わなくなっている場合もあります。改修の判断は点検報告書や技術者の所見をもとに行い、計画的に進めることが重要です。



高圧受電設備の改修が必要になる主な兆候


高圧受電設備は長期にわたって使用されることが多い設備ですが、常に高電圧を扱っているため、経年とともに確実に劣化が進んでいきます。故障や事故を未然に防ぐためには、設備の状態を定期的に確認し、改修が必要となる兆候を見逃さないことが大切です。ここでは、具体的にどのようなサインが改修の目安となるのかを紹介します。


絶縁不良やトラブルの前兆

設備の絶縁性能が低下すると、放電音が聞こえる、焦げたような臭いがする、接続部が異常に熱を持つなどの現象が起こることがあります。これらは絶縁不良の初期段階として現れることが多く、放置すれば短絡(ショート)や地絡事故につながる可能性もあります。点検で絶縁抵抗値が規定を下回った場合も、早期の改修が求められます。


機器の経年劣化と部品供給の終了

遮断器やトランス、計器類などの主要機器は、耐用年数を過ぎると性能が不安定になります。メーカーによっては一定年数を経過すると部品供給が終了するため、修理が困難になる場合もあります。特に20年を超える機器では、外観に問題がなくても内部の劣化が進行していることがあり、計画的な改修が重要です。


省エネ・環境対応のための見直し

電力使用量の多い施設では、設備の更新により省エネ化やランニングコストの削減が期待できます。たとえば、高効率な変圧器やデマンド監視装置を組み込むことで、電力の使用状況を最適化することが可能です。また、温室効果ガス削減やカーボンニュートラルへの取り組みの一環として、古い設備を見直すケースも増えてきました。改修は、コスト削減だけでなく、社会的な責任を果たす意味でも重要な判断となります。



改修工事を検討すべきタイミングとは


高圧受電設備の改修は、突発的な故障を待つのではなく、適切なタイミングで計画的に進めることが大切です。故障が発生してからの対応では、停電による業務停止や修理費用の増加につながる可能性があるため、前もって兆しを捉えることが求められます。ここでは、改修工事を具体的に検討すべきタイミングについて整理します。


耐用年数の目安と交換の判断材料

一般的に、高圧受電設備の耐用年数は20〜25年とされています。設備によってはそれ以上使用されているケースもありますが、年数が経過するほど内部部品の劣化やトラブルのリスクは高まります。点検結果や過去の故障履歴、製造元による供給状況を参考にしながら、交換の判断を行うのが現実的です。また、既存設備が更新対象である旨を点検報告書で指摘された場合も、速やかな対応が求められます。


法改正・制度変更への対応

電気に関する法制度は定期的に見直されており、それに伴って設備の仕様や機能が法令に適合しなくなることがあります。たとえば、高調波対策や短絡耐力など、安全性や環境対策に関する基準が変わった場合、それに対応するために設備の更新が必要になることもあります。古い設備を使い続けると、今後の運用で制約が生じる可能性もあるため、制度の変化には注意が必要です。


テナント入れ替えや用途変更時

ビルや施設内のテナントが入れ替わったり、施設の用途が変わったりするタイミングも、設備を見直す好機です。たとえば、使用する電力の量や設備機器が変わることで、既存の高圧受電設備では対応が難しくなる場合があります。また、改修の際に内装工事や設備の見直しを同時に行うことで、工事コストを抑えることも可能です。このような節目で改修を検討しておくと、将来的なトラブルを防ぎやすくなります。



改修工事の進め方と注意点


高圧受電設備の改修工事は、専門性が高く慎重な計画が求められます。安全性の確保だけでなく、施設の稼働状況やコスト面にも配慮しながら、スムーズに工事を進めることが重要です。ここでは、改修を進める際の基本的な流れと、注意すべきポイントについて紹介します。


事前調査と現地確認の重要性

改修工事を検討する際は、まず既存設備の状態を正確に把握するための現地調査が欠かせません。どの機器が劣化しているか、現在の電力使用状況や配電経路がどうなっているかなどを詳細に確認することで、必要な機器や改修範囲を明確にできます。この段階では、建物の構造や配線スペースなどもあわせて確認し、施工中のリスクを事前に想定しておくことが大切です。


停電工事の計画と調整方法

高圧受電設備の改修では、一時的に電源を止める必要があるため、停電工事のスケジュール調整が重要です。工場や商業施設など日常的に電気を使う施設では、営業への影響を最小限に抑えるために、深夜や休日に工事を実施することもあります。関係者への事前説明や周知を徹底し、トラブルのないよう調整を行うことが求められます。


工期とコストの考え方

工期は、改修の範囲や使用する機器の種類によって大きく異なります。部分的な更新であれば数日で完了することもありますが、設備全体の入れ替えとなると数週間かかるケースもあります。コストについても、単に機器を新しくするだけでなく、今後の維持管理を見越して仕様を選ぶことがポイントです。予算だけで判断せず、長期的な視点で必要な性能や対応年数を考慮して検討するのが望ましいでしょう。



高圧受電設備の改修における安全対策


高圧受電設備は高電圧を扱うため、改修工事の際には徹底した安全対策が求められます。万が一の事故を防ぐだけでなく、施設の稼働を安定して継続させるためにも、安全面での準備と確認を怠ることはできません。ここでは、改修時に重視すべき安全対策について具体的に見ていきます。


停電時のバックアップ対応

改修工事では、どうしても一定時間の停電が必要になります。その際、業務への影響を最小限に抑えるために、あらかじめバックアップ電源の確保が重要です。たとえば、UPS(無停電電源装置)や非常用発電機を一時的に使用することで、サーバー機器や重要な制御装置の電源を維持できます。医療機関やデータセンターなど、停電の影響が大きい施設では特に慎重な対応が求められます。


工事中の安全管理体制

現場での作業中は、感電や短絡などのリスクを避けるために、確実な安全措置が必要です。作業範囲の明確化や作業員同士の情報共有はもちろん、必要に応じて絶縁シートや安全柵などを設置して、第三者の立ち入りを防ぐようにします。また、作業開始前には必ず通電の有無を確認し、二重チェックを徹底することが基本です。


改修後の試験と動作確認

工事が完了した後は、すぐに通電せず、まずは各機器の接続や動作が正しく行われているかを確認する試験が必要です。たとえば、絶縁抵抗測定や耐電圧試験、保護装置の動作確認などを行い、安全性が確保されているかをチェックします。そのうえで、順次通電を行い、施設全体が正常に稼働するかどうかを確認します。改修後の不具合を防ぐためにも、この最終確認は非常に重要な工程となります。



AS ONEが手がける高圧受電設備の改修対応


高圧受電設備の改修工事には、高度な知識と現場対応力が求められます。AS ONEでは、関西エリアを中心にさまざまな施設での改修実績を重ねており、現場の状況に応じた柔軟な対応を大切にしています。ここでは、当社が対応している施設の特徴や強みをご紹介します。


商業施設・工場・学校などへの対応実績

AS ONEでは、商業施設、製造工場、飲食店、学校など、用途の異なる多様な建物での高圧受電設備の改修工事を行ってきました。それぞれの施設ごとに求められる電力の質や使用環境は異なるため、単に設備を更新するだけでなく、現場に即した内容でご提案することを心がけています。たとえば、テナントが営業を継続している状態での工事にも対応し、稼働に支障をきたさない計画を立てた上で作業を進めています。


関西エリアに根ざした対応力

大阪市北区を拠点に、関西一円(大阪・兵庫・京都など)での工事に対応しています。地域のインフラや建物特性を把握しているため、現場調査から工事完了までスムーズな進行が可能です。緊急対応が必要な場合も、地域密着ならではの迅速な判断と対応力を活かして現場に駆けつける体制を整えています。


電気設備と消防設備を一貫して提案

高圧受電設備の改修にあわせて、照明や動力の見直し、コンセントの増設、非常用照明・誘導灯などの消防設備の更新も一括で対応可能です。電気と消防の両面に対応することで、別々に業者を手配する手間が省けるだけでなく、工事工程の調整もスムーズに進みます。ワンストップで対応できる体制により、トータルでの安全性と効率性を確保しています。



まとめ


高圧受電設備は、商業施設や工場、学校などにおいて安定した電力供給を支える重要なインフラです。経年劣化や法制度の変化、用途変更などにより、改修のタイミングを見極めることが欠かせません。20年以上使用している設備や、異常が見られる場合には、早めの対応を検討することで、トラブルの未然防止につながります。


また、改修を進める際は、現地調査や工事計画、停電対策など、準備段階での確認事項も多く、専門的な知識と経験が求められます。工事後の安全確認までをしっかり行うことで、長期的に安心して使える設備環境を整えることができます。


AS ONEでは、関西エリアを中心に、高圧受電設備の改修から動力・照明設備、消防設備まで一貫して対応しています。用途や施設の特性に応じたご提案で、安全性と使いやすさを両立させた施工を行っています。設備の更新を検討されている方は、まずはお気軽にご相談ください。


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